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投稿日:2024年3月21日 | 更新日:2024年03月21日
この記事では、簿記3級(日商簿記検定3級)について解説します。
詳しい試験の内容や、勉強のポイントについてもまとめています。
簿記3級は会計士・税理士への登竜門とも言われるように、難関資格への挑戦の第一歩ともされています。
また、日商簿記検定では簿記3級から1級まで存在しており、その試験内容や合格率の違いについても解説します。
※この記事は2024年3月の情報です。
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簿記3級はどんな資格?
簿記3級について知るには、まず簿記とは何かを知っておきましょう。
簿記とは
簿記とは、会社におけるお金の出入りを記録する方法のことです。資金繰りは非常に重要で複雑なものです。簿記によって支出を管理し、経営を支えています。
日商簿記検定とは
実は、簿記検定は複数の種類が存在します。
その中で、知名度が高く、受験者数も多いのが日商簿記検定です。
日商簿記検定では原価計算初級・簿記初級・3級・2級・1級まで設けられており、1級は合格率10%と非常に難しい試験となっています。
簿記3級を取ると何ができる?
簿記3級について、日商簿記検定を主催する日本商工会議所は、以下のように示しています。
業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」として、多くの企業から評価される資格。
簿記3級のレベル|日本商工会議所
基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル。
試験では、小規模企業の経理業務をこなせるくらいのレベルを要求されることから、3級といえど専門性の高い資格であることがなんとなくわかるでしょうか。
では、実際に簿記3級をとるとどのようなメリットがあるのか、デメリットも交えて見てみましょう。
簿記3級を取得するメリット・デメリット
メリット
- 大学の推薦入学に有利
- 就職に有利
- 社会人として知っておきたいビジネス知識が身につく
- データから企業状況が読み取れる
- 管理職などのステップアップにも有効
- 私生活にも活用できる
デメリット
- 大きなアドバンテージにはならない
- 資格勉強の時間・費用がかかる
- 受験費用がかかる
簿記3級の難易度と合格率
簿記3級は、例年合格率40~50%で推移しています。
難易度としてはそれほど難しい試験ではありませんが、それでも半数以上は不合格になっており、3級といえど専門知識とスキルが要求される試験ですので、しっかりとした対策が必要です。
また、受験料は無料ではありません。無駄な出費を避ける意味でも、一発合格を目指しましょう。
インターネット試験がおすすめ
日商簿記検定は年に3回実施されていますが、1級を除き2級・3級(原価計算初級・簿記初級も含む)はインターネット試験でも受験することができます。
インターネット試験では全国のテストセンターで、空いている日時から予約することで受験できます。事前にオンライン申し込みが必要です。
また統一試験の場合、合否がわかるまで1~2週間程度かかりますが、インターネット試験の場合は試験終了後すぐにPC画面に結果が表示されます。
統一試験とインターネット試験の合格率
簿記3級では統一試験(年間3回実施される紙の試験)と、インターネット試験それぞれの合格率も異なります。
統一試験の合格率
回 | 受験者数(申込者数) | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
165(2023.11.19) | 30,387名 | 25,727名 | 8,653名 | 33.6% |
164(2023.6.11) | 31,818名 | 26,757名 | 9,107名 | 34.0% |
163(2023.2.26) | 37,493名 | 31,556名 | 11,516名 | 36.5% |
162(2022.11.20) | 39,055名 | 32,422名 | 9,786名 | 30.2% |
161(2022.6.12) | 43,723名 | 36,654名 | 16,770名 | 45.8% |
インターネット試験の合格率
期間 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|---|
2023年4月~2023年12月 | 158,429名 | 61,194名 | 38.6% | |
2022年4月~2023年3月 | 207,423名 | 85,378名 | 41.2% |
第161回を除き、平均的な合格率はインターネット試験の方が上であることがわかります。
出題される問題内容や試験時間、受験料についてはどちらの試験でも同一です。
では、簿記3級の試験についてさらに詳しく見ていきましょう。
2024年|簿記3級試験概要
受験資格と試験日
日商簿記検定には受験資格がありません。また、どの級にも受験資格がないため、どの級から受けてもよい試験です。
そのため、原価計算初級・簿記初級を飛ばして簿記3級からトライしている方が多いです。
試験日は、統一試験の場合、例年2月6月11月の日曜日に実施されています。日程はこちらの日本商工会議所HPにて公開されています。
インターネット試験の場合、統一試験の前後など休止している日程を除き、通年で受験が可能です。日程・会場と申し込みについてはこちらで確認できます。
試験内容と出題範囲
2021年4月以降、簿記3級の試験内容と試験時間が変更されました。
以前は出題問題が大問で5つ、試験時間は120分でしたが、現在は以下のようになっています。
試験科目 | 試験時間 | 合格基準 |
---|---|---|
商業簿記 3題以内 | 60分 | 70%以上 |
問題は「仕訳問題」「帳簿記入・勘定記入問題」「財務諸表の作成・決算整理問題(総合問題)」と大きく3つの問題が出され、それぞれ配点が異なります。
大問①「仕訳問題」
全15問で、配点はそれぞれ3点、計45点です。仕訳とは、勘定科目という分類名を基に、そのお金が何のお金なのかを分類し、帳簿に記載することです。
勘定科目は資産、負債、純資産、収益、費用の大きく5つですが、さらに細かく分類されており、「減価償却」や「資本金及び資本準備金減少差益」といった聞き慣れない科目名も多いです。選択式の問題で、実際に丸暗記する必要はなく、わからないものが出てくると試験当日に焦ってしまうので、言葉の意味を知っておく必要があります。
仕訳は基本的に、帳簿の左側に借方(かりかた)、右側に貸方(かしかた)をそれぞれ記入する複式簿記で行います。
試験時間は60分と余裕がないので、仕訳問題はスピード勝負になる設問です。最も配点が高い問題ですので、確実に得点できるように対策しましょう。
大問②「帳簿記入・勘定記入問題」
配点は20点です。大問②では仕訳によって分類したお金を集計表に書き出します。この作業を「転記」と言い、仕訳をしっかりと行うことがコツです。
出題範囲が広く、問題も難しいため大問①・③と比べて対策が立てにくいと言われており、いわゆる捨て問と判断されることも多いです。
大問③「財務諸表の作成・決算整理問題(総合問題)」
配点は35点です。ここでは、精算表や貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)の作成を行います。仕訳問題に次いで配点が高いため、こちらもしっかり対策したいところです。
簿記3級の勉強法とポイント
ここからは、簿記3級を対策するうえでおさえておくべき勉強法とポイントを解説します。
簿記3級対策|勉強方法の紹介
まず、簿記3級の試験対策には、「理解すること」と「実践すること」の2つが必要です。
最初はテキストなどを読み込み、簿記の理論を理解することで、問題を解くための基礎知識を身につけることができます。
理解したあとは、実際に問題を解くことで知識の定着とすり合わせを行いましょう。実践を通じて簿記のスキルを身につけ、理論を活用する力を鍛えることができます。
理解するための方法
「理解すること」については、テキストや参考書を活用しましょう。簿記3級の出題範囲をしっかり把握し、各科目の内容を理解することが大切です。特に簿記についての知識がゼロの状態は見慣れない用語も多く混乱するでしょう。
このような理解が難しい用語や科目については、解説動画なども活用するのがおすすめです。
実践するための方法
「実践すること」については、過去問題を解くことが有効です。実際の試験と同じ形式で問題を解くことで、試験に慣れるとともに、自分の理解度を確認することができます。極力、時間を計測しながら問題を解くことで、試験時間内に問題を解き終えるスキルも身につけることができます。
日商簿記3級の重要なポイント
試験時間は60分間ですが、実は問題を解いてみると余裕がありません。見慣れない単語や苦手な部分に苦戦すると、すべてを解き切れないことも。
簿記では3級の対策をする時は、以下のポイントを意識しましょう。
- 仕訳を正確に行う
- 電卓(そろばん)に慣れておく
- 問題に優先順位をつける
- 時間配分を決める
- 2級以上を見据える方は8~9割の得点を目指す
仕訳を正確に行う
簿記3級では、「基礎がどれだけ身についているか」が重要です。簿記の基本でもある仕訳は、過去問や練習問題で何度も練習し、正確に行えるようになることが必要です。
電卓(そろばん)に慣れておく
日商簿記検定では、電卓・そろばんの持ち込みが許可されています。日ごろの勉強から電卓の操作に慣れておくと時間短縮につながります。
問題に優先順位をつける
実際の試験では、時間が足りない場合があります。そこで、問題に優先順位をつけて取り組みましょう。大問①→③→②の順に解くのがおすすめです。
配点の大きい順になっていますが、得点率としてもこの順序で解くとよいでしょう。
時間配分を決める
時間配分も非常に重要です。問題数に対して時間が足りないため、時間を測って過去問を解きましょう。余裕があれば、残り10分程度は見直しに使うことを意識しましょう。
2級以上を見据える方は8~9割の得点を目指す
2級以上を見据えている方は、8~9割の得点を目指しましょう。2級以降では、基礎を踏まえた応用として商業簿記問題が出されるほか、科目が増えるため3級のうちから対策しておくことをおすすめします。
簿記3級の勉強時間はどれくらい?
目安は100時間程度
簿記3級の勉強時間は100時間程度と言われています。しかし、これはあくまで一般的な目安であり、個々の理解力や勉強方法により異なるため、自身のペースで進めることが大切です。
原価計算初級・簿記初級から始めた方など、基礎知識がある場合や、通信講座などのスクールを活用すると30~50時間程度に短縮することも可能です。
100時間達成にかかる期間
一日に何時間勉強するかによっても変わりますが、平均して30~90日程度かかります。
下の表を参考にしてみましょう。
1日あたりの勉強時間 | 1時間 | 2時間 | 3時間 | 4時間 | 5時間 | 6時間 |
達成に必要な期間 (毎日勉強した場合) | 3.5ヶ月 | 2ヶ月 | 1.5ヶ月 | 25日 | 20日 | 16日 |
ただし、無理に時間を増やすよりも、毎日コツコツと続けることが重要です。短時間でも集中して学習することで、効率よく知識を吸収できます。
総じて、簿記3級の勉強時間は一人一人異なりますが、平均的には100時間・60日程度を目安にすると良いでしょう。しかし、時間だけでなく質も重要であるため、自分に合った学習法を見つけ、毎日確実に勉強を進めていくことが合格への近道となります。
2024年版|簿記3級におすすめのテキスト
勉強時間を短縮するには、質の良いテキストと問題集を選びましょう。
2021年度に試験の形式が変更されていることを配慮して、なるべく新しいものを選ぶようにしましょう。
おすすめのテキスト
簿記3級の対策におすすめのテキストを紹介します。問題集とセットになったものもあります。
TAC出版 よくわかる簿記シリーズ 合格テキスト 日商簿記3級 Ver.14.0
TAC出版 2024年度版 スッキリわかるシリーズ スッキリわかる 日商簿記3級
CPA会計学院 いちばんわかる日商簿記3級の教科書
CPA会計学院による簿記対策テキストは、CPA会計学院による完全無料の簿記学習Webサイト・eラーニング「CPAラーニング」が利用できます。
CPAラーニングでは、講義動画や模擬試験・問題集がダウンロードできるなどのサポートを受けることができます。CPAラーニングはスマートフォンやPCから利用できます。
扶桑社 80分でマスター! [ガチ速]簿記入門
おすすめの問題集
次に、問題集を紹介します。中には、テキストとセットになったものや、シリーズで揃えると効率よく学習できるためおすすめです。
TAC出版 合格するための本試験問題集 日商簿記 3級 2023年AW対策
TAC出版 スッキリうかる 日商簿記 3級 本試験予想問題集 2024年度版
主催団体公認テキスト・問題集
こちらでは、日商簿記検定の主催団体である日本商工会議所が公式に認めているテキスト・問題集を紹介しています。こちらも併せて参考にしてください。
簿記3級 合格への道のり
ここからは、簿記3級の受験から合格までの流れなどを解説します。
中には、独学で簿記3級合格を目指す方も多いのではないでしょうか。
受験準備と申し込み
まずは試験に備えて勉強を始めましょう。
いきなり参考書を購入するのもよいですが、簿記3級は知名度が高く人気のある資格なので、webサイト上に無料で利用できるものも多いです。
まずは簿記について知るところから始め、何のために簿記3級を取りたいのか?といった目標も明確にできると、なおよいでしょう。
勉強に必要な期間は平均して60日程度です。試験の90日前くらいから学習を始めると、余裕をもって試験に臨むことができます。
勉強期間を短縮したい場合や、一回で確実に合格したい方はスクールや通信講座を利用することもおすすめです。
自信がついたら簿記検定の申し込みをしましょう!
簿記検定の申し込み方法
申し込み方法は統一試験とインターネット試験で異なります。
統一試験の場合、日本各地の商工会議所によって異なるため、自身の希望する商工会議所に試験日程から2ヶ月前を目安に問い合わせが必要です。また、期日までに受験料の支払いも済ませておく必要があります。
インターネット試験で受験する場合はこちらから確認できます。最寄りのテストセンターを指定し、希望日程の3日前までに申し込みが必要です。受験票などは発行されず、予約完了時のメールに確認事項が記載されています。
簿記3級は独学でも合格できる?
簿記3級は独学でも十分に合格を目指すことができる試験です。
ですが、近年の合格率は低下傾向にあり、試験自体が難化しているとも言われています。
簿記3級は知名度が高く人気があり、誰にでも受験できることから受験者数は非常に多いです。簡単に取れるというイメージがあることから、十分な対策をしておらず不合格になってしまうケースも多い様子です。
70点以上を取れば必ず合格できる絶対試験ですので、しっかりと対策をすれば独学でも十分に合格を目指すことができます。
簿記3級は無料で対策できる
簿記3級は無料で対策することも可能です。webサイト上では、無料で利用できるラーニングシステムや、テキスト・問題集が公開されています。費用を抑えたい方はこちらも積極的に活用しましょう。
簿記3級と2級どちらから受けるべき?
まずは3級から受験することをおすすめします。
簿記3級を持っている人が2級を受けるとしても、必要な勉強時間は200~350時間程度とされています。3級から2級に上がると、問題の難易度が上がることだけでなく、商業簿記に加えて「工業簿記」科目が追加されます。
まずは簿記3級で基礎をしっかりと固めてから2級に挑戦するのが無難でしょう。
また、簿記2級は3級と同様、インターネット試験が実施されているため、いつでも受験できます。平均合格率20%の試験なので、万全な対策をして臨みましょう。
簿記3級 おすすめ通信講座3選
ここからは簿記3級対策におすすめの通信講座を3選紹介します。
簿記3級は近年難化していることもあり、専門性の高い内容から途中で挫折してしまう方も多いです。
独学で挑戦することに不安がある方は、ぜひ通信講座の利用を検討してみてください。無料体験講座を実施しているスクールや、3級・2級同時合格を視野に入れた講座もあるので、結果として時間や費用を抑えらえる場合もありますよ。
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簿記3級に挑戦しよう!まとめ
簿記3級の取得は、ビジネスシーンではもちろん、家庭でも大いに活躍します。それだけではなく、資格勉強自体が自己成長の一歩となります。また、時代に左右されない一生役立てられる資格でもあります。
仕事に活かせるスキルアップを目指す方、簿記の知識を深めたい方、就職の武器が欲しい方、それぞれの目的に合わせて簿記3級の取得に挑戦してみましょう。
簿記3級は誰でも取れる簡単な資格というイメージがありますが、実際には合格率40%前後と決して楽に取れる資格ではありません。ですが、しっかりと対策をすれば十分に合格することができる試験です。
関連記事では、簿記検定についてさらに詳しくまとめているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
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