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メディカルクラークとは?資格のメリットや合格率・試験内容を解説

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投稿日:2023年6月8日 | 更新日:2023年12月08日

メディカルクラークは、医療事務技能審査試験の合格者の資格名です。

医療事務の業務に関する知識を持っている証であり、病院やクリニックの受付、会計などを担う専門職です。

そんなメディカルクラークの特徴や、取得するメリットをご紹介します。

合格率や難易度など気になる情報もまとめているため、ぜひチェックしてください。

メディカルクラーク(医療事務技能審査試験)とは?

メディカルクラークは医療事務技能審査試験の合格者が得られる資格です。

病院や診療所で、医療事務の全般的な業務を担当する、医療事務職に関するプロである証の資格です。

病院では常に24時間体制で、患者の命を救うために医師や看護師が働いています。そんな医師たちを事務の面でサポートすることが、医療事務の仕事です。

メディカルクラークは医療事務資格の1つであり、民間資格です。

医療事務は無資格、未経験でも職につけるケースがありますが、資格を取得することで医療事務としての技能、知識をしっかりと持っている証になります。

将来的に転職や就職を考えるときも、未経験や無資格よりも形として医療事務の知識があると証明できるため、融資になることがあります。

メディカルクラーク(医療事務技能審査試験)の意味

メディカルクラークの資格は、直訳すると「医療的な事務員」を意味します。クラークは英語で事務員を意味する言葉のことです。

つまり、メディカル(医療)に関することに従事する、事務員の呼び名です。日本では医療事務と呼ばれているように、通常の企業とはまったく違う事務作業を行うプロフェッショナルです。

特徴的な仕事はレセプト業務です。

これは病院が用意する請求書を作成する業務で、患者に対して医療費を計算して支払ってもらう一連の事務作業を行います。

メディカルクラーク(医療事務技能審査試験)の歴史は40年以上ある

メディカルクラークという職業事態は、なんと1974年に誕生した長い歴史を持つものです。

医療事務の資格は数々ありますが、医療事務管理士、診療報酬事務能力認定試験と並ぶ、高い知名度を持っている資格なのです。

これまでに受験者数は160万人をオーバーしていて、合格者数も100万人近いと言われています。

高い知名度があるため、完全に未経験から医療事務を学ぶ場合でも就職に有利に働きます。

メディカルクラーク(医療事務技能審査試験)に合格するメリット

メディカルクラークに合格することは、次のようにいろいろなメリットがあります。

メディカルクラークは特に女性に人気がある資格ですが、その理由とともにご紹介します。

病院や診療所で医療事務として働ける

メディカルクラークは診療報酬を扱う医療事務のプロフェッショナルです。

事務職と言っても、通常の会社で行う業務とはまったく違います。

業務は幅広いですが、代表的なものでは病院の受付や患者への応対があること。電話応対だけでなく、実際に来院する患者に対して、説明や受付、支払いまで担当します。

また、その患者1人1人に作成する診療報酬(レセプト)を作るという専門知識が求められるところも、医療事務の特徴です。

レセプトには診療報酬を計算する技術が必要で、近年ではコンピューターによる電子入力で作成します。

このような専門性の高い知識を学ぶ必要があるうえ、医療は今後も人々にとって絶対に欠かせないものです。全国各地にある病院や診療所で必要とされる人材こそが、メディカルクラークなのです。

医療事務関係の資格の中でも知名度が高い

メディカルクラークは長い歴史を持っていて、医療事務の中でも知名度が高いです。

医療事務にまつわる資格はさまざまありますが、ここ10年以内に作られたものなど知名度があまり高くなく、受験者数が少ない種類も存在します。

どの資格も医療事務に関する知識を学べる点は共通ですが、資格を取得して就職に活かすことが主な目的だからこそ、面接の際に面接官に知ってもらっていることも大切です。

その点メディカルクラークは高い知名度と歴史があるため、知っている医療従事者が多くいるところがメリットと言えるのです。

医療従事者にとっても知識・技能向上につながる

医療従事者にとっても、メディカルクラークを学ぶことは医療に対する全般的な知識の習得に役立ちます。

メディカルクラークは単純にレセプト作成といった事務作業だけに限らず、ホスピタリティが求められる仕事です。

患者を第一に考えた医療が中心になっていく中で、メディカルクラークは受付事務として患者への応対技術が求められるのです。

窓口業務という病院や診療所の顔であるメディカルクラークは、患者に対する接遇も勉強できます。すでに医療機関で受付や秘書などで働いている人にとっても、メディカルクラークを学ぶことで改めて患者接遇を知り、知識を深めて技能向上につなげていけます。

復職や転職に役立つ資格である

メディカルクラークは専門職だからこそ、復職や転職に役立ちます。

スクールセレクト編集部
スクールセレクト編集部

特に子育て世代に人気がある資格で、いったん出産をきっかけに退職や休職した人も、資格という形で医療事務の専門知識を持っていると証明できるのでおすすめです。

復職や転職で、資格を持っていることで、全国の医療事務の求人に申し込めます。

実際に出産前は別の仕事をしていて、休職期間中に医療事務を勉強して就職するといったケースもあります。

いったん仕事をやめて産休に入ったものの、その後に再び就職できるか心配といったママたちにも、メディカルクラークは支持されている資格なのです。

また、引っ越しをする場合でも診療所や病院は全国各地に存在します。

たとえ住んでいる場所が変わっても、メディカルクラークはどこでも活かせるという専門職としての資格のメリットが大きいです。

メディカルクラーク(医療事務技能審査試験)の合格率・難易度は?

メディカルクラークの合格率、難易度についてご説明します。取得しやすい資格なのか、目安として覚えておきましょう。

メディカルクラーク(医療事務技能審査試験)の合格率

メディカルクラークの合格率は細かい数字が公表されていませんが、60%程度と言われています。

学科、実技の両方が70%以上正解することが合格ラインのため、高難易度とまではいかないもののしっかりと専門知識を学習する必要があります。

医療事務系の資格によっては、30%以下の合格率のものもあるため、比較すると合格しやすい資格と言えます。

メディカルクラークの級と難易度は?

メディカルクラークは2級と1級が存在します。

さらに医科と歯科があり、、歯科は歯科医専門の歯科診療報酬明細書の作成という、また違った審査基準です。

歯医者以外の病院や診療所で働く場合は、医科のメディカルクラークを受験します。2級は未経験でも受験できますが、1級は医療事務職としての実務経験が3年以上必要です。

また、審査委員会が定めている「教育訓練ガイドライン」に沿っている教育課程を履修していることが条件です。

1級メディカルクラークは実際に現場で経験を積んで、さらなるキャリアアップを目指したい人が受験する資格です。

メディカルクラークの平均勉強時間とは?

メディカルクラークの平均勉強時間は、独学か講師から学ぶかによって違いがあります。

独学の場合は、1日2~3時間のペースで学習したとして、3か月から半年程度の期間がかかります。

人によって理解度が異なるため、さらに長い期間学習する人もいます。

また、通信や通学は2~6か月の期間に設定されていて、毎月実施される資格試験に合わせて学習を進めていきます。

メディカルクラーク(医療事務技能審査試験)の主な試験内容

メディカルクラークの試験内容は、大きく分けて学科、実技1、実技Ⅱの3種類です。

学科

1.医療保険制度
2.高齢者医療制度
3.公費負担医療制度
4.介護保険制度
5.医事法規一般
6.医事業務
7.前各号の掲げる科目のほか、次に掲げる科目のうち、受験者が選択するいずれか一つの科目
医科…診療報酬請求業務・医学一般・薬学一般・診療録
歯科…診療報酬請求業務・医学一般・薬学一般・診療録

実技Ⅰ

コミュニケーション:医事課患者応対

実技Ⅱ

診療報酬請求業務:医科(歯科)診療報酬明細書(出来高請求)の点検

引用:一般財団法人日本医療教育財団 医療事務技能審査試験の基準およびその細目

学科は医療保険、医療制度や診療報酬請求業務などを勉強します。

実技Ⅰは患者応対のコミュニケーション、実技Ⅱは診療報酬請求業務(レセプト作成)をします。

メディカルクラークの試験日程と場所

メディカルクラークの試験日程は次の通りです。

医科 年12回(毎月)
歯科 年6回(5月、7月、9月、11月、1月、3月)

引用:一般財団法人日本医療教育財団 医療事務技能審査試験の概要

医科は毎月試験がありますが、歯科は2か月に1回という違いがあります。

メディカルクラーク(医療事務技能審査試験)のの試験の申し込み方法

メディカルクラークの試験の申し込み方法は、ニチイの通信、通学講座の場合はニチイを通じて申し込みます。

実施している一般財団法人日本医療教育財団に直接申し込むときには、試験日の2か月~3週間前までに受験料を財団の指定口座に納入します。

そのうえで受験申込書に、受験料の振り込み明細書を貼り付けて、日本医療教育財団本部に郵送する必要があります。

メディカルクラーク(医療事務技能審査試験)の受験料

メディカルクラークは、医科・歯科ともに7,700円(税込)の受験料です。

受験票の送付先、受験料の納入先は公式サイトの「医療事務技能審査試験のご案内」に記載されています。

参考:一般財団法人日本医療教育財団 医療事務技能審査試験の概要

メディカルクラーク(医療事務技能審査試験)の勉強方法3選

メディカルクラークの勉強方法は、大きく分けて3つがあります。それぞれの方法の特徴とメリット、デメリットを見ていきましょう。

通信講座で勉強する

メディカルクラークは通信講座に申し込んで、自宅で学習する方法があります。

メディカルクラークと言えば、ニチイのほかにユーキャンや、ヒューマンアカデミーなどがあります。
ユーキャンやヒューマンアカデミーによるメディカルクラークは、講座も資格受験も在宅が特徴です。

ただし気をつけたいのは、ニチイのメディカルクラークとは違う点です。今回ご紹介しているメディカルクラークは、ニチイが提供している医療事務技能審査試験のこと。

ユーキャン、ヒューマンアカデミーによるメディカルクラークは、医療事務認定実務者試験です。ユーキャンの医療事務認定実務者は、2016年に登場した新しい資格です。

よく似ていますが出題範囲も違うため注意しましょう。

独学でテキストなどを使って勉強する

独学でメディカルクラークを勉強する方法もあります。それは医療事務に関するテキストを自分で探して購入し、医療事務業にに関する学科と実技を学ぶことです。

メディカルクラークは、医療事務の知識のほか患者接遇に、診療報酬請求事務のいわゆるレセプト作成があります。

独学の場合、ニチイでは対策問題集、過去問をオンライン販売していますが、テキストは一般販売されていません。そのため、独学なら出題範囲をそのまま学べるようなテキスト、問題集選びが必要です。

専門学校や通学講座に通う

メディカルクラークはニチイが提供している通学講座があります。

通学講座は2~3か月で集中的に学ぶ形式が多く、毎月1回(年間12回)の試験が実施されています。

その試験日に合わせて通学し、座学したり周りの生徒と受付業務の模擬をしたりと、実技にまつわることも広く学びながら資格取得を目指すスタイルです。

独学や通信と比べて通学は費用が高額になりますが、先生から直接指導を受けられると同時に仲間を作れるところが魅力です。

メディカルクラーク(医療事務技能審査試験)と一緒に取得したい資格

メディカルクラークと並び、ニチイに関連する医療関連の資格を取得するとさらに就職や転職が有利になるケースがあります。

メディカルクラークとともに取得したい、3つの資格をご紹介します。

医療秘書技能検定

医療秘書技能検定試験は、医療秘書を育成するための資格です。

医療秘書とは医療事務業務とは少し違い、医療従事者のスケジュール管理、医療情報を収集するといった、医師や看護師をサポートする仕事です。

医療事務が患者と最初に話す窓口であり、会計業務を担当するプロだとすると、医療秘書は直接医師や患者を支えると同時に、治療中の患者と医療従事者の橋渡しとなる存在です。

3級、2級、準1級、1級の4つの級があり、独学では1~2年の期間が必要になります。医療機関の運営や組織、医学的な基礎知識も学べるため、医療事務からのステップアップとして学習する人も多いです。

引用:一般社団法人医療秘書教育全国協議会

医事コンピュータ技能検定試験

医事コンピュータ技能検定試験は、平成8年度にはじまった資格です。

医療機関で電子カルテが普及し、今ではコンピューターでのレセプト作成が定番になりました。

この資格はレセプト作成をコンピューターでできることを証明できる資格です。

医療事務の知識はもちろん、コンピューターの知識が求められる点が資格の特徴です。

試験はパソコンを使って行われるため、在宅受験はできず年2回の試験実施に合わせて勉強が必要です。

参考:医事コンピュータ技能検定試験

医師事務作業補助技能認定試験(ドクターズクラーク)

ドクターズクラークは、医療事務作業を行うメディカルクラークに対して、さらに診断書などの文書、処方箋作成を行います。

医療事務作業補助職として、6か月以上の実務経験と32時間以上の基礎知識習得のための研修を経験していることが、受験資格です。

そのため、誰でも申し込めるのではなく、メディカルクラークとして経験を積んだ人が、新しい分野の医療事務ができるようになる資格です。

年6回試験が実施されており、メディカルクラークの知識にプラスアルファの知識が必要となります。

まとめ

メディカルクラークは40年以上の歴史がある資格で、医療事務技能審査試験に合格することで取得できます。

合格率は6割程度とほどほどに高いですが、医療事務という専門知識を一から学ぶうえ、レセプト作成という特殊な計算方法も覚える必要があります。

しかし、医療機関は全国に存在するため、どこでも必要とされる職種です。通信や通学、独学などさまざまな勉強方法があるため、自分のライフスタイルに合わせて選んでみてはいかがでしょうか。

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