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投稿日:2022年6月27日 | 更新日:2024年02月22日
この記事を監修した専門家
高収入を見込めて将来性のある資格として人気の高い公認会計士ですが、いったいどうやってなるのでしょうか?
公認会計士になるには二段階に分かれた試験を突破し、その後にも実務や講習が必要になってきます。
この記事では、
「公認会計士になるにはどうすればいいのか?」
「どれくらいの確率でなれるのか?」
「だれが目指せるのか?」
など詳しく説明していきます‼
この記事で分かること
- 公認会計士試験の合格率・難易度
- 公認会計士になるには
- 公認会計士の平均収入
- 受験資格はなく大学生でも社会人でも目指せる
- 公認会計士に向いている人
公認会計士になるには?流れをざっくり解説
公認会計士になるのに大きく分けて以下の三つを行う必要があります。
- 試験合格
- 就職
- 登録要件
1. 試験合格
公認会計士になるには、まず難易度の高い公認会計士試験を突破しないといけません。
公認会計士試験は第一回目の短答式試験と第二回目の論文式試験にわかれており、合格率は総じて10%前後となっています。
この通り難易度がかなり高い資格なので約1.5年~3年程予備校に通い取得する人がほとんどです。
2. 就職
数年かけて会計学や経営について学び、見事公認会計士試験に合格できると次は就職活動になります。
公認会計士試験の合格者のうち約9割が監査法人へ就職します。
11月に説明会が行われ、12月から入社するケースがほとんどです。
3. 登録要件
そして、監査法人への入社後は登録要件を満たさないと公認会計士とは名乗れないんです。
登録要件とは
- 業務補助
- 実務講習
- 修了考査
というものがあります。
すべての要件を満たすのに3年間かかります。
この三つを満たすことで公認会計士登録をできるようになり、はじめて公認会計士として社会から認められます。
公認会計士登録までの具体的な流れは?
公認会計士になるまでの過程を具体的に説明します!
公認会計士になるには細かく分けて以下の6つのSTEPになります。
【STEP1】公認会計士試験(短答式試験)に合格する
公認会計士をめざすファーストステップとしてまずは、短答式試験に合格することが必要です。
短答式試験は年に二回受けるチャンスがあり、第一回目が5月、二回目が12月に実施されます。
短答式試験は、財務会計論、管理会計論、監査論及び企業法の4科目からなり合格率は約20%となっています。
試験範囲の広さから暗記量も多いため、予備校などに通い整ったカリキュラムに従ってしっかり対策することが必要です。
【STEP2】公認会計士試験(論文式試験)に合格する
短答式試験に合格すると次のステップとして論文式試験があります。
論文式試験は「会計学」「監査論」「企業法」「租税法」の4科目と選択科目1科目の5科目です。
短答式試験と異なり計算ではなく理論の問題がメインなので短答式試験の勉強で暗記したものを理解して応用することが必要です。
論文式試験は一年に一回8月に開催され、ここで落ちると来年に再度受けることになります。
ですがここで落ちてしまっても救済処置で短答式試験は再度受ける必要はありません。
【STEP3】監査法人に就職する
公認会計士試験に合格するとそのまま就職活動をします。
公認会計士試験合格者のほとんどが、実務経験を積むためにBIG4などの監査法人に就職することになります。
合格発表が11月中旬に行われ、そこからだいたい2週間程度で就職先が決まります。
遅くとも2週間程度、早ければ数日の超短期決戦になるため事前の準備や情報収集が必要です。
監査法人ごとに特徴・違いがあるので特徴や違いを十分に確認した上で、就職する監査法人を決めましょう。
就職先がきまるとだいたい12月から各監査法人に入社することになります。
BIG4一覧
【STEP4】実務経験を積む(2年間)
実は公認会計士の資格を性格にとるには「日本公認会計士協会」への登録が必要なんです。
そして登録には3つ条件があり
- 監査法人で2年間実務経験を積むこと
- 補修所に通うこと
- 修了試験に合格すること
になります。
まず一つ目は就職先の監査法人で2年間実務経験を積むことが必要です。
ほとんどの公認会士試験合格者が監査法人で実践経験をつみますが、中には監査法人ではない場合もあります。
次の例が監査法人外で経験を積む方法です。
・国又は地方公共団体の機関において、資本金額5億円以上の法人の会計に関する検査・監査、あるいは国税に関する調査・検査の事務を直接担当すること。
・金融機関や保険会社などで、貸付け、債務の保証その他これらに準ずる資金の運用に関する事務を直接担当すること。
・資本金額5億円以上の会社などの組織(法人)において、原価計算その他の財務分析に関する事務を直接担当すること。
【STEP5】補習所に通う
2年間の業務経験の他に「補習所通学」(公認会計士試験合格後に行う座学の実務補習制度)も公認会計士になるには必要な条件になっています。
「実務補習」とは、公認会計士に必要な内容を3年間かけて受講します。
3年間で10回の考査と6回の課題研究提出をして基準点を上回ることが必要です。
科目は大きく分けて「監査」「会計」「税務」「経営・IT」「法規・職業倫理」に分かれています。
補習は東京、東海、近畿、九州の四つの補修所で受けることが可能です。
【STEP6】修了試験に合格する
実務経験を積んで実務補修を終えると最後に終了考査というものがあります。
修了考査では、実務補習で勉強した「監査」「会計」「税務」「経営・IT」「法規・職業倫理」の内容を2日間で受験します。
2日間で合計12時間かけて行うハードな試験です。
合格率は約50%と言われており、公認会計士試験の合格率10%とくらべると合格しやすい試験となっています。
現在の修了考査試験は、12月の第2週目の土日に実施され、監査法人だと試験前に試験休暇を10日ほど与えられます。
有給休暇と合わせて3~4週間ほど試験勉強の期間を設ける人が多いそうです。
この試験に受かれば晴れて公認会計士登録することができるようになり正式に公認会計士になることができます。
この試験に落ちると来年また再試験になります。
ですが落ちたからと言ってそこまで困ることはなく監査業務の制限が外れない程度です。
また、期限もないので何回でも受けることが可能です。
公認会計士の資格・難易度
公認会計士試験の難易度・合格率
公認会計士試験はかなり難易度の高い試験として知られています。
実際に合格率は約10%前後となっており、偏差値は74と言われ大学受験でいう東大レベルになります。
ですが同じ難関資格である社労士や弁護士、医師に比べると合格率も高くきちんと対策をして臨めば十分合格を狙える資格となっています。
公認会計士試験は年に2回行われる短答式と年に一回8月に行われる論文式試験に分かれます。
短答式試験は財務会計論、管理会計論、監査論及び企業法の4科目、論文式試験は「会計学」「監査論」「企業法」「租税法」の4科目と選択科目1科目の5科目からなります。試験範囲の広さも試験の難易度の原因の一つです。
公認会計士試験の合格基準点は、短答式試験と論文式試験でそれぞれ基準点が設定されており、それらを超える必要があります。
また、公認会計士試験は各科目の総合点で合否がきまりますが、各科目基準点というものがあり、一つでもそれを下回ると不合格になる場合があります。
得意科目苦手科目を極端に作らず、幅広く勉強することが必要です。
公認会計士の試験合格に必要な勉強時間
公認会計士試験を合格するために必要な勉強時間は約3000~4000時間と言われています。
税理士は2500時間、簿記1級は約500~600時間と言われており、似たような人気資格の中でも多くの勉強時間がかかります。
受験期間は1.5~2年に設定することが多いですが、人によっては3年4年かかることも少なくないです。
試験回数によって大きく変動します。
公認会計士試験を2年で合格するとしても毎日欠かさず最低5時間の勉強は必要になってきます。
ですが、公認会計士試験の勉強のカリキュラムはほとんどが基礎的なことを学ぶ入門期と試験に向けた応用を学ぶ上級期に分かれており、入門期から上級期になっていくにつれて勉強時間が増えていくことが主流です。
公認会計士試験を一発で合格した人の勉強時間は入門・基礎期で約6.1時間、上級期で約8.7時間となっています。
公認会計士の仕事内容
公認会計士の仕事内容
公認会計士の主な仕事内容は監査、税務、コンサルティングです。
監査は公認会計士の資格を持っている人にしかできない独占業務であり、また、公認会計士の資格を取得すれば税理士として登録することもできます。
公認会計士の資格をとるとほとんどの人big4などの監査法人に就職することになります。
監査業務は企業の財務諸表に正しい情報が記載されているかどうかを公正な立場で公認会計士が判断する仕事です。
高度な知識をもった公認会計士による監査がないと、企業が不正をしていないかどうか見分けることができず金融機関や投資家などから信頼を得ることが困難になります。
逆に言えば、事業会社は第三者である監査法人による監査により財務諸表の信頼性が担保されるので、事業会社は監査法人から監査を行ってもらうことは資金調達を円滑に行うことが可能になり企業を経営する上で重要になっていきます。
公認会計士の年収
公認会計士の平均年収は992万円といわれています。
社会人の平均年収は503万円なので公認会計士は間違いなく高収入な職業だと言えるでしょう。
また、公認会計士の初任給は就職先にもよりますがだいたい監査法人の一年目は35万円で、新卒採用の初任給の平均の21万とくらべてもかなり高水準となっています。
また、公認会計士はスキルアップや転職により大きく収入UPさせることもできます。
監査法人でパートナーまで昇進たりコンサル企業の経営層として転職したりすることで、数千万円の収入が期待できることも少なくないです。
公認会計士のキャリアパス
先ほども述べたように、公認会計士のほとんどがファーストキャリアとして監査法人に務めることになります。
そこで数年実践経験を積むとスタッフ、シニアスタッフ、マネージャー、シニアマネージャー、パートナの順でどんどん昇進していきます。
ですが、人によってはマネージャーに上がるタイミングで転職する人もいます。
転職先としてよくあげられるのはコンサルティング会社やFAS、またはベンチャー企業のCFOなどがあげられます。
なかには独立開業をしたり税理士の仕事をする人もいるそうです。
公認会計士は大学生・社会人でも目指せる?
大学生は受かりやすい?
公認会計士をめざすには、受験時代のように一日の多くの時間を勉強に費やせるのが理想です。
しかしサークルやバイト、ゼミなどやることが多い大学生で公認会計士を目指したいと思っている人もいるでしょう。
では大学生で公認会計士を目指すことは可能なのでしょうか?
結論から言うと可能ですし、毎年受験者の多くが大学生で占められています。
さらに公認会計士試験の全体の合格率は10%前後ですが、大学生の合格率は約17%で、受かりやすい傾向にあります。
大学生の勉強スケジュール
勉強を始める時期は1年生の5月から始める人もいますが、大学の授業に余裕の出る大学3年生から目指す方が多いようです。
公認会計士試験は難関なので予備校に通う人がほとんどでしょう。
授業やバイトで忙しい人は通信講座の予備校を検討してみてもよいかもしれません。
また、大学で簿記を勉強している人は公認会計士試験の勉強とかぶっている内容が多いので効率よく勉強できるでしょう。
公認会計士の学歴
前文で説明したとおり、大学生で公認会計士の資格を目指している人も多いようです。
しかし、難易度の高い公認会計士試験ですから、東大や京大など偏差値の高い大学の学生しか受からなさそうですよね。
実際にはどの学歴層が合格しているのでしょうか?学歴と公認会計士試験の関係性について解説していきます。
公認会計士の合格者のうち、早稲田大学と慶應大学出身、在学中の人の割合が2TOPで多いのは事実です。
また、合格者の中には東大・京大などの超高学歴の人は一定数存在します。
しかし、明治大学・中央大学・立命館大学なども公認会計士合格者の割合の上位を占めており、必ずしも早慶以上の高学歴ではないと受かりにくいというわけではないようです。
以下のサイトからも様々な大学から公認会計士になっている人がいるのも明らかです。
資格の学校TAC「学歴や出身大学は、公認会計士試験に関係があるのか」
確かに学歴を頭の良さと捉えれば学歴高い方が効率よく目指せるかもしれませんが、公認会計士は受験資格が一切なく誰でも目指せる資格なので、どの大学に所属していようがその人の努力次第で取得できる資格です。
社会人でも公認会計士はめざせる
実は社会人で働きながら公認会計士を目指している人も多く、願書提出者の約26%が働きながら公認会計士を目指しており、年々増加傾向にあります。
学生や無職の人に比べて社会人は日中忙しく勉強時間が少なくならざるを得ません。
学習内容の難解さというより、膨大な学習量が肝心な公認会計士試験では社会人の方が不利にはなりますが、合格者も毎年着実にでているので目指す価値はあります。
仕事の後や、通勤中休日で効率良く学習できる予備校のプランをとったりいそいでいなければ 、2年間のロングコース緩やかにでゆるやかに学習することもできます。
通信制の講座や、効率重視のカリキュラムを展開している予備校がおすすめです。
公認会計士に向いている人
ここまで、公認会計士になる方法や勉強時間など解説してきましたが、結局どういった人が公認会計士になれるのでしょうか?
勉強が好き・苦痛に感じない人
まず、あたりまえですが勉強することが得意な人・そこまで苦痛に感じない人が公認会計士になりやすいといえます。
この記事で何度も触れている話ですが、公認会計士は資格の中でも最難関と言われるほど取得が難しい資格です。
そのため約3000時間勉強を継続して行うことが必要です。
ここで耐えいきれずリタイアしてしまう人も多いです。
ですので、勉強を継続して行える人ではないと向いていないでしょう。
さらに、公認会計士は資格取得まではもちろん、実は公認会計士試験合格後も勉強することが求められます。
監査業務では法が変わったり、新しい基準が増えたりと常に勉強し続けないといけません。
つまり、公認会計士になる上でも相当な勉強量を求めれられ取得後も勉強し続けることになるので、勉強が好き、またはは苦痛に感じない人の方が、公認会計士に向いているでしょう。
正義感や責任感が強い人
正義感や責任感が強い人は、公認会計士に向いている人といえます。
公認会計士の業務には、不正を見逃さず許容しない厳しさや、社会に影響を与える故の強い責任感が必要です。
公認会計士の主な業務である企業の法定監査は、企業の作成した財務諸表が適正かを監査し、意見を表明するものです。
不正や誤りがあれば甘い評価はしないという、正義感を持ったうえで業務を進める必要があります。
監査は監査対象の企業だけでなく社会に影響を与える可能性もあるため、非常に重要な業務という責任感も求められます。
会計や経営に興味がある人
公認会計士の業務や必要な知識は、会計や経営との関わりが深いです。
そのため会計や経営に興味がある人は、公認会計士に向いている人の可能性があります。
業務と密接に関わる分野について興味がないと、意欲や積極性が湧きにくくなってしまいます。
前向きな姿勢の維持が難しく、強い意志やモチベーション管理が必要でしょう。
適性と興味が必ずしも一致するとは限りません。
しかし興味がある分野の方が取り組みやすいというのも事実です。
公認会計士になるには まとめ
公認会計士になるにはどうすればよいのか、どのくらい時間がかかるのか、だれが合格できるのかなどについて、説明してきましたがいかがだったでしょうか?
まとめると公認会計士はこのような資格です。
- 公認会計士試験は合格率10%前後の難易度で約3000時間の勉強が必要
- 公認会計士になるには二回の試験を突破し登録要件を満たすことが必要
- 公認会計士の平均収入は992万円でキャリアを積むとさらに高収入を目指せる
- 受験資格はなく大学生でも社会人でも目指せる
- 勉強が苦痛ではなく会計学に興味がある人・正義感が強い人に向いている
公認会計士を目指す場合は自分に合った講座を探してみるとよいでしょう。
スクールセレクトでは、おすすめの通信講座も紹介しています。
こちらでも詳しく解説しているので、ぜひ見てみてください!